[読者からのお手紙いただきました] 前略、突然のお手紙失礼致します。池田まき子さん著の『森がささやいている』を先日、横須賀図書館からお借りして拝読しました。今日、本を返しに行くのですが、どうしてか一言感謝を述べたくてペンをとりました。 今でも、どうしてこの本を手にとってすぐお借りしてきたのか、自分でも不思議でなりません。私の知ってる木の中で一番隙なのはケヤキです。母の実家が平塚の八幡様の前に有って旅館でした。玄関を入って、すぐにケヤキの階段があって、あるとき女中さんが一緒に連れて上がらせてくれ、お相撲さんの前に座ったこと。もう80年前にもなります。学校に上がる前だったのでしょう。そのときは平塚へ巡業できて祖父の家の旅館に泊まっていたときだったのでしょう。階段の一枚板とお相撲さんのきれいな肌を思い出します。 ケヤキの一枚板を使っているような家に住みたいと願いながら果たせず82歳になった今もケヤキが大好きなのです。 広葉樹の木の事を愛情を込めて書いてある御著を、本当に楽しく、嬉しく読ませていただき、久しぶりに心が燃える思いがしました。 ものごころついた頃の実家の隣は材木置き場になっていて、年中木挽きが大きな木を挽いていたのを懐かしく思い出します。 不思議な縁で横須賀の住民になって27年になりますが、この横須賀も、どんどん山が住宅に変わりあそこの山もあの山も森がなくなってしまうと電車に乗ったときなど、窓から見ます。 どうしてか、一言ありがとうございました申し上げたくてペンを執りました。御健康と御活躍をお祈りいたします。ありがとうございました。
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