岩泉純木通信Iwaizumi Jyunboku Times

9/10

おかげさまで、今日も一日が暮れました。
5月に入籍後、隣の宮古市に単身赴任状態の妻が道の悪い中をはるばる来てくれまして、
ほっとするとともに張り詰めた緊張が解けてどっと疲れが出た気分。
でも、その分充電もでき、元気に昨日と本日の進展報告です。

工房へ通う道すがら。
瓦礫や被災物品の仮置き場になっている、B&G海洋センター奥の敷地は、
昨日朝の時点で、6割がた埋まっていました。
うちも含めて、まだまだ片付いていないものが多く、今後どれだけ増えていくのか、
想像だにつきません。
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何もなかったころののんびりした草原と比べると、悲しさがこみ上げてきます。
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前日の雨は幸いにも大したことがなく、通り過ぎていきました。
朝は、雨をたっぷり吸って、重くなった土嚢の片づけからスタートです。
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前日に、雨の中ずぶ濡れになりながら、スタッフが詰まりを解消してくれた排水管のおかげもあって、
ほぼ何の影響もありませんでした。
岩泉の町としても、大きな被害は起きなかったらしく、朝の時点で通行止めが続いていた道路は、
しばらくしてほとんどすべてが開通となっています。
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朝の片づけの中で泥から出てきた、ピンク色の小さな小さな長靴。
幸いなことに、この長靴の持ち主は、今でも元気でいるはずです。
今回、小さな子供の犠牲者はありませんでしたから。
もし、これを履いていて流されたのなら。
大きな災害の前での人の小ささが胸に突き刺さります。
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この2日間は、公式ボランティアの派遣はありませんでした。その代わりというわけではありませんが、
親交があり、確かな設計と腕のいい大工さんがそろった木造住宅が人気の工務店、杢創舎さんから、
若手スタッフが、小型ダンプとミニパワーショベルとともに、駆けつけてくれました!
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さらに東京から、現在ブランディングなどのアドバイスをいただいているデザイナー、
はやの意匠の早野正寿さん。
今日の午前中は、いつもお世話になっている横屋手しごと屋さんを通じて、
隣の宮古市で竹細工をなさっている金澤武治さんが、お手伝いしてくださいました。
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ほんとになんとお礼を言ってよいやら。
今後どんな恩返しをすれば、このご恩を返せるんでしょうか。
まずは、復興させることから始めます!

そのおかげで、どんどん泥が減っていきます。
ビフォー&アフターを見てください!
ここ1週間弱、ボランティアさんが来てくださってからの、感動の軌跡です。
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今日は、もともと散らかっていたのが、泥水でさらに手のつけようがなくなった、
私の持ち場でもある、NCルーターの部屋もきれいにしていただきました。
まるで、明日から仕事ができるかのようです。
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でも、もちろんそうはいきません。

いったん大量の水と泥が入ってしまうと、床下の土台が腐ってしまう可能性が高まります。
もともと、うちの工房の建物は築60年以上。前身である、製材所時代の建物です。
その間、床下がどうなってしまっているか、まったくわかりません。
これについて悩んでいたところ、隣の宮古市から、
残念ながら閉館となってしまう映画館「シネマリーン」支配人で、実は建築士でもある、櫛桁一則さんが、
お疲れの中(私では考えられないほど、お忙しく飛び回っていらっしゃいます)、
足を運んでくださいました。
建築に詳しい早野さんとともに、建物の構造を確認していただきました。
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その結果、床を開けてみると、きれいになった部屋も、その下には泥がたっぷり詰まってしまっています。
この場所では、10センチ以上。
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このままでは、土台がだめになってしまう恐れが高く、今後床板を全部はがし、
下の泥もどけなければならなそう。
まだまだ大変な作業が続きますが、急いで仮初の修理をして、機械を入れて、復旧させて、
その1年後に土台が腐って建物が崩れてしまう、などということは、絶対に起こしてはいけません。
時間はかかりますが、なんとか土台の確認と補修、そして床板の張りなおしをし、盤石の状態で再開するつもりです。
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もう一つ気になっていたことに、濁流で押し倒されかけていた壁があります。
これは今年だか去年だかに、新しくしたところ。
ほんとうに悲しいのですが、このままではいつ完全に倒れ、大事故が起こってもおかしくありません。
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櫛桁さんに構造の確認をしていただき、完全に倒しても大丈夫とわかってから、
杢創舎さんに重機を細かく動かしていただき、完全に外してもらいました。
この作業、2本のレバーを前後左右に細かく細かく動かす、繊細なもの。
ちょっと手元が狂ったら、屋根ごと壊れてしまいかねません。
ご無理を笑顔で聞き入れてくださり、無事に外していただくことができました。
ありがとうございました!
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最後には、ここ数日恒例の無茶ぶり記念写真。
お手伝いしてくださった皆さんから、私たちも大きな元気をいただいています。
これを励みに、明日からも頑張れます。
元気があればなんでもできる。
元気があれば、お力をお借りしながら、純木家具も復興できる。
1,2,3、ダー!!!
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杢創舎スタッフさん、早野さん、櫛桁さん、金澤さん、そして妻。
ありがとうございました!
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